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店主のスピーカー遍歴

現在は、Feastrexのスピーカーが最も好みの音質です。ハイスピードで繊細なのに、うるさくない、歪みぽさを感じないフルレンジ スピーカー ユニットは、他にないと思います。また、トップページにも書いているとおり、フルレンジ スピーカー ユニットを使わないスピーカーは、あまり好きではありません。

なのですが、現在に至るまでに、私もいろいろなスピーカーを使いました。フルレンジ スピーカー ユニットを使った形式が多いですが、ヨーロッパのユニットを使ってマルチウェイ形式のスピーカーを作ったこともあります。それらの中で主だったスピーカーについて、紹介したいと思います。

最初のスピーカー 長岡鉄男氏設計のDB-8

本格的に、自分専用のスピーカーとして使い始めたのは、長岡鉄男氏設計のDB-8です。Fostexの16cmフルレンジ ユニットFF-165と、ホーンツイーターFT-15Hを使ったダブルバスレフ型の箱になっています。音楽之友社の「長岡鉄男の傑作スピーカー工作 BOOK.4」という本を見て、高1か高2の頃に初めて作った自作スピーカーです。


最初は冴えない音だなと思いましたが、徐々にうまく鳴るようになり、細かい音が良く出て女性ボーカルの美しい音質になり、だいぶん気に入りました。ただ、ダブルバスレフなので低音は30Hzくらいから出ているようでしたが、全体的に低音不足で、ソースによっては違和感が多少ありました。それでも、その後作成したスピーカーとも並行して、ずいぶん長く10年くらい使用したと思います。

スワンa

DB-8の後、自分で設計した、小型の共鳴管(FE-83使用)、小型の後面解放(FE-83使用)、バックロード(FE-106シグマ使用)、割と大きいダブルバスレフ(FE-103を2発使用)を短期間使用しました。しかし、どれもいま一つ満足できず、結局長岡鉄男氏設計のスワンaを作りました。しかも、最初シナ合板で作り、気に入ったのでヒノキ集成材で作りなおしました(汗)。


約8年間、メインスピーカーとして使ってきました。ユニットは、最初FE108シグマでしたが,その後FE108Sになり、最後は6N-FE108Sになっています。ヒノキの集成材で作ったにもかかわらず、いまだにひび割れもなく奇麗です(今も保存してあります)。
スワンをはじめバックロードホーンの音は、賛否両論ですが、僕は割合好きです。中低域はソースによってボンつく感じもありますが、のびのびした感じと奔放さがあるようです。ただ,聴き疲れはあるので,癒しのためのスピーカーがほかに必要かもしれません。

B&W CDM7SE(めずらしくメーカー製スピーカー)

このスピーカーは、「ある程度評価されているメーカー製のスピーカーを買っておこう」と思って購入したスピーカーです。見た目は、やはり自作に比べてだいぶんよいです(汗)。


明るい音で、音楽を楽しく聴くことができるので、その点は好適です。しかし、いま一つ中域が重い、抜けが悪い、というところが不満になりました。スワンに比べると細かい音が出ない感じがあります。16cmのスコーカで、直径9cmの磁石ではやむを得ないかもしれません。ただ、ケブラー振動板の明るい音色は好きです。
もともと、割とたくさんの吸音材が入っていましたが、気に入らなかったので3分の2くらいに減らしてしまいました。また、ユニットのパッキンも取り除いてしまいました。それでも、上記のような感じで、抜けの悪さを解消できませんでした・・・。

FE88ESとFW168を使った2ウェイ

スワンaの後は、しばらくFE83を使った小型スピーカーくらいしか作っていませんでした。しかし、FostexからFE88ESが発売されて、何か大き目のを作りたくなり作成したスピーカーです。長岡鉄男氏の「F-54ミーアキャット」を参考にしました。同じ形式のFE88ESとFW168の2ウェイです。ミーアキャットとは違い、このキャビネットのFE88ESの納まる箱は、息抜き程度のバスレフになっています(ミーアキャットは密閉)。


FE88ESは、スルーで、FW168にはトリテックのコイル3.3mHが入っています。どちらも同相です。音は、悪くないですが、突出したところもないような感じ。FE88ESのキャラクターが出て、やや整った音で淡白な雰囲気です。FE88ESのキャビネットは約4リットルですが,少なすぎたのかちょっとだけ詰った感じもあります。ただ、中域自体はキメ細やかで、よいと思いました。

AudioTechnology 4H52を使った3ウェイ

AudioTechnology社の4インチユニット4H521306をスコーカーとして使った3ウェイシステムです。ウーハは、Seas L17REXを片チャンネル2個、ツイーターは、Focal TC120になっています。 4インチユニットというと、普通は10cmクラスのユニットですが、このAudioTechnologyの場合は、フレームの直径155mm、振動板面積 96cm2なので、14〜15cmクラスになります。振動板質量は、8.45gです。磁石は大変強力で、直径12cmあります。


スコーカーとツイーターを収める箱は、ちょっと変わった形にしました。 逆テーパの(だんだん断面積が減る)トランスミッションもどきです。管の長さは約80cmと短いので、そのままだと100Hzくらいの共振が出るはずですが、管の出口に吸音材を押し込んでいるので、あまり共振はしていないようです。

なぜ、こんな変な形式の箱にしたかというと、できるだけスコーカー(4H52)に背圧をあまりかけたくなかったのと、低音不足をねらったためです。やや大きめの密閉でもだら下がりの低音不足になりますが、背圧がかかりにくいくらいの大きさだと、ちょっと大きすぎるかと考えました。バスレフ、バックロードホーン、共鳴管では、背圧を減らせますが、それなりに低音が盛り上がってしまいます。平面バッフル、後面開放だとよいですが、ユニットの裏が見えるのはリビングに置く以上問題があるので、やめました。

ツイーターのハイパスフィルターは、2.2マイクロF、 直列2.2オーム、並列20オーム(-3dB)です。 スコーカーは、ローパスフィルターのみで、1.0mHです。

ウーハー部分は、SEAS L17REX/Pを2個、約40リットルのfd=35Hzくらいの箱に取り付けました。箱の側面に一つずつ付いています。長岡鉄男氏のモアイのサブウーハと同じ方式です。 L17REX/P×2のローパスフィルターは、5.1mHの6db/octです。インピーダンス補正はありません。バスレフポートには、今のところ吸音材を軽く入れています。

音は、スコーカーの磁石が強力なため、割ににスピード感があり、やや中高域に荒さがあるものの奇麗な音でした。荒さといってもFostexのフルレンジ ユニットのようなの荒さほどではなく、穏やかな感じです。中域は、最初重ったるい感じでしたが、その後エージングの成果か、きめの細かさが出てきました。少なくとも、B&W CDM7SEの中域より良い感じでした。とはいえ、スコーカーとして使った4H52は、ウーハーなので、どうしても中域の軽やかさ、伸びやかさが、フルレンジ ユニットを使ったシステムに比べて勝てない感じでした。

そのため、その後スコーカーをScanspekのものに変えてみましたが、その音の甘さに馴染めず、結局FE88ESをスコーカーにしてしまいました(ハイパス、ローパスフィルターなし)。このFE88ESを使った形式は、かなり気に入り、数年使っていましたが、現在は友人宅にあります。

巨大リボンツイーターRaven R3.1を使った2ウェイ(その1)

ある日、秋葉原にあるスピーカーショップ(有)イーディオさんにネットワークパーツを返しに行ったら、そこでRaven R3.1という巨大なリボンツイータを使ったスピーカーが鳴っていました。これが、普通の2ウェイとはまったく違うキレのよい軽快な美しい音で、値段を忘れてすっかり虜になってしまいました(汗)。その後、紆余曲折の末、高価すぎる懸念もありましたが、結局R3.1を購入してしまいました。ちなみに、値段はペアで50万円を少し超えたと思います。


上に乗っかっている黒いのが、Raven R3.1です。リボンツイーターなのに1KHzから使え(普通は10KHzくらいから)、重量27kg、振動系質量0.029g。ネオジウム マグネットの巨大な塊という感じです。

とりあえず、上記で紹介したL17REX/Pのウーハー部分(コイルの値は変更)に、Raven R3.1をのせて使ってみました。ネットワークは、ウーハ側:直列1.0mH、ツイーターR3.1側: 直列20マイクロF、並列1.5mH、直列4オーム、並列4.4オーム。L17REX/Pは、6dB/octのフィルターだと高域共振が出ますが、側面に取り付けられているので、とりあえず無視することにしました・・・。

最初、音を出しを始めてしばらくは、ややアルミっぽく、繊細だけれど細身でツヤが無いかなという感じでしたが、その後どんどん良くなり、3、4時間くらいで、(有)イーディオで聞いた音に近い、情報量が多く、くせの少ない音になってきました。いわゆる、シャープで鮮度が高くキレの良い音ですが、聞いていて疲れないところが、非常に良いです。強力型フルレンジの良いところだけをとってさらに強化したような音に思えます。

 ウーハ側は、もともと200Hz以下を担当していたサブウーハを転用したので、ユニットが両側面に一つずつ付いていますが、1KHz近くまで使うとなると、後ろの壁の影響をかなり受け、なんとなくボヤっとした感じになってしまいます。ただ、つながり自体は、R3.1の音が支配的で、それほど不自然ではないようじ感じました。

巨大リボンツイーターRaven R3.1を使った2ウェイ(その2)

しばらく、上記のL17REX/PのサブウーハーとRaven R3.1で聴いてましたが、背が低い(サブウーハ・キャビネットの高さは50cm)、ウーハユニットが側面に付いているので、1KHz近くまで使うと壁の反射の影響が強い、という不満がありました。そこで、新しくRaven R3.1用の新しいサブウーハーを作成しました。今回は、SeasのW18EX001というユニットを片chに二つ使っています。


W18EX001の外観は、銅のフェイズプラグが結構派手です。箱は、約2mの音道を持つトランスミッションライン(TLS)です。とはいえ、吸音材は一般的なTLSより大分少なく、出口付近に少しだけです。そのため、共鳴管か音響迷路の動作に近いかもしれません。

今回作った箱の内部の様子です。バッフルの小さい穴は、吸音材をメンテナンスするためのものです。バッフルは、この上にもう一枚重ねて、二枚重ねです。


ネットワークは、W18EX001二つに対して1mHをつなげています。音は、L17REXのサブウーハに比べるとかなり違います。こんなに違うとは思いませんでした。TLSの効果なのか、低音はクセが少なく(バスレフ比)、軽快で分解能が高いです。細かい音が良く出る感じもします。あと、W18EXとL17REXの違いからか、音がエレガントで美しいです。もう少しワンパクでもよいかと思いますが、ジャズも日本のポップスも美しくきれいに鳴らしてくれます。

FE138ES-Rのバックロードホーン(ターキー)

Raven R3.1を使ったシステムを7年程使っていたのですが、なぜか徐々に音楽を聴く機会が少なくなってきてしまいました。音は良いのですが、低音と中高音の音色の違い、スピード感の違いに違和感を感じたのかもしれません。また、若い頃から使っていたフルレンジ ユニットの活きの良さを懐かしく思い、Fostexから新型の13cm限定フルレンジユニットFE138ES-Rが発売されたのを機会に、またバックロードホーンを作ることにしました。


Fostex設計・推奨の「ターキー」というボックスで、長岡鉄男氏設計のスーパースワンをそのまま大きくしたような形式です。ただ、オリジナルの設計だとヘッド容積が少し少なく、またボディ飾り板が中途半端と感じたので、ヘッドは外寸で190mm×190mm×190mmに大きくし、飾り板もスーパースワンと同じ形式(ボディと同じ高さに合わせる)に変更しました。

従来は、木材のカットを東急ハンズで行っていたのですが、今回はスピーカーカット専門のMAKIZOUに、カットをお願いしました。非常に精度が高かったと思います。また、木材の種類も、これまで集成材を使っていたのを、フィンランドバーチ合板にしました。上記、設計変更もMAKIZOUさんのご厚意で、板取りの枠を超えて実現したのでした。

完成して音が出た瞬間、「やはりフルレンジユニットはいいなあ」と思いました。聴いていて違和感がないというか、自然な音に感じました。FE138ES-Rは、従来のFEシリーズよりも歪み感が少なく、あまり暴れず、滑らかな音質のようです。低音は、昔使っていたスワンaよりも軽快に鳴っています。吸音材ゼロなのに、なかなかすごいです。

以上が、店主のこれまでのスピーカー遍歴になります・・・(汗)。現在も自宅ではFE138ES-Rの「ターキー」を使っていますが、これは近々やはりFeastrexのユニットを使った、何らかのスピーカーに交換したいと思っています。メーカー純正の箱にするか、それとも独自設計の箱を自作するか、悩ましいところです^^。