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feastrexスピーカーの特徴

feastrexのスピーカーは、個人的に理想のスピーカーだと思っています。

フルレンジ スピーカー ユニットが好きで、こちらに書いたとおり長年使ってきましたが、どうしても中高域に荒れた感じがあり、長時間聴いていると疲れる気がしていました。

フルレンジ スピーカー ユニットの音の生々しさとの引き換えに、多少の荒れた感じはやむを得ないと思っていましたが、ある時feastrexのスピーカーの存在を知り、そのこだわりの構造に興味を持って、山梨県まで行って試聴してみました。そこで聴いた音は、フルレンジ スピーカー ユニットの特徴である生々しい音はそのままに、自然で聴き疲れしない音でした。


和紙を使った振動板の良さや、強力な磁気回路が効いているのでしょうが、まったく魔法のように不思議な音でびっくりしてしまいました。

feastrexスピーカーの音は、何故それほど良いのか。以下、feastrexスピーカーの特徴(特長)です。

2種類の超強力磁気回路

feastrexには、電磁石を使った励磁タイプと、永久磁石を使ったアルニコタイプの2種類のユニットがあります。どちらも、ほかに例を見ない強力な磁気回路を搭載しています。12cm励磁タイプの磁気回路重量は、実に4440gです。そして12cmアルニコタイプの磁気回路重量は、3,520gです。そのため、ハイスピードなのに、歪み感のない音楽再生が可能です。


手すき和紙を使った振動板

feastrexの振動板は、手すき和紙です。人間国宝「岩野市兵衛」氏によって作られています。手すき和紙は、細く長い強靭な繊維で作られており、しかも繊維の分布が無方向性なので強度にムラのない、情報伝達速度の速い、内部損失の大きい、理想的な振動板になっています。しかも軽量なので、ボイスコイルを含む振動系質量は、12cmタイプでわずか2.6gです。微細な音楽信号にも繊細に反応できます。


余計な振動を防ぐ、電磁石(励磁)による磁気回路

feastrexのスピーカーは、アルニコタイプでも十分高音質ですが、励磁タイプは、より自然で生に近い音を再生できます。なぜ、励磁による磁気回路は優れているのでしょうか。

スピーカーは、磁場の中にボイスコイルを持っています。このボイスコイルにアンプから音声信号を送ると、ボイスコイルは前後に振動し、振動板(コーン紙)から音声が発生します。このとき、ボイスコイルは、磁場内で振動すると同時に磁場内の磁束を切るので、発電機の原理でボイスコイルに起電力が発生します。この起電力は、方向がアンプからの供給電流と反対であるため「逆起電力」になります。

この逆起電力は、ボイスコイルの運動を阻止する働き、つまり電気ブレーキをかける作用になります。ボイスコイルと振動板の慣性等の過渡作用を電気的に阻止します。過渡作用とは、慣性によって前に100動く電気信号に対して振動板が102動いてしまう、120戻るという信号に対して125反応してしまう、といったように「オーバーワーク」になります。このオーバーワークは、スピーカーの性能を大きく低下させます。逆起電力の発生効率が高い磁気回路ほど、スピーカーの性能が高いわけです。

逆起電力を発生させる交流磁束は、磁気回路の磁気抵抗が大きいほど弱くなり、電気ブレーキが弱くなります。この磁気抵抗は、磁性体そのものの透磁率(μ)に影響されます。透磁率(μ)は、空気が基準で1.0となっていて、磁気回路を構成する各材料によって異なります。

 フェライト磁石μ: 1.1
 アルニコ磁石μ: 5〜7
 純 鉄μ: 4000
 パーメンジュールμ: 10000

スピーカーの音質は、フェライト磁石よりアルニコ磁石を使った方が、有利であることはよく知られています。励磁タイプのスピーカーは、磁気回路に透磁率の大きな「純鉄」や「パーメンジュール」を使用できます。そのため、アルニコ磁石よりもさらに圧倒的に大きい透磁率を実現でいます。その分、励磁タイプのスピーカーの音質は非常に優れています。

強い逆起電力によって、信号電流が消えると同時に振動板の運動も停止し、信号電源には無い音は発生しない、荒さのない自然な音声、音楽を楽しむことが出来ます。


また、励磁スピーカーは、励磁電源の電圧を変えることによって、スピーカーのQが変化します。電圧を上げると、Qは低くなりダンピングが強くなり、逆に電圧を下げるとQは大きくなります。励磁型スピーカーは、音質的に優れているだけでなく、スピーカー特性をコントロール可能な使い勝手の良いスピーカーなのです。

こだわりのボイスコイル、エッジ

ボイスコイルを巻きつけるボビンには、振動板とは別の種類の和紙を使用しています。ボビンには、狭いギャップに収めるための薄さとともに、縦方向の振動を歪み無くコーン紙に伝達する強靭さが要求されます。音質に大きな影響を与えるため、これらの条件を満たす素材として、ボビンに雁皮(ガンピ)の繊維により作られる貴重なガンピ和紙を採用しています。

ガンピのボビンには、磁気変換効率に優れた純アルミ製の角線(0.03×0.18mm)によるエッジワイズ巻きボイスコイルを採用し、わずか0.9mmのボイスコイルギャップに精密に収めています。

また、コーン紙を支えるエッジ部分は、音質に優れた極薄ラム皮の選別品を使用しています。そのため、高い耐久性を持っており、何十年でも長持ちします。

球形のヨーク形状

ヨークの形状が、磁気流動性を考慮した独自設計のネーチャーフラックス構造(球形ヨーク)になっています。


ネーチャーフラックスは、自然な磁気流動性を意味していて、従来のロ型ヨークで発生する折り曲げ部分の磁気歪を減らし、磁気エネルギーの供給効率を向上させることができます。 ヨークは、鉄ブロックからの旋盤による削り出しで、一つ一つ丁寧に加工され、最も厚みがある部分は16mm、最も薄いボイスコイルギャップ周辺は6.3mmに精密に加工され、磁気漏洩のない滑らかな磁気流動を実現しています。

その結果、稼動状態でのボイスコイルギャップの磁束歪率が0.25%という驚異的な低歪を実現しています。この値は、ドイツの測定器メーカー「クリッペル社」の社長(クリッペル博士)直々の測定で、彼は「信じられない」と何度も歓声を上げて喜んでいたそうです。クリッペル博士が実測したスピーカーの中で、最も小さな歪率でした。